2010-07-04

人財と人罪

あるセミナーでおもしろい図を見た。「じんざい」を四つの象限で表した図だ。縦軸はモチベーション、横軸はスキル。

  1. モチベーションが高く、スキルもある場合は組織の財産という意味で人財
  2. スキルは高いが、モチベーションが低い場合は単なる材料という意味で人材
  3. モチベーションは高いがスキルが低い場合は、居るだけだから人在
  4. モチベーションも低く、スキルもない場合は居るだけで罪だから人罪



もう一つの図。会社がリストラの必要性に迫られたときに、誰を残すかという指標。縦軸はビジョンを共有。横軸は仕事ができる。

  1. 組織とビジョンを共有し、仕事ができる社員は残す。
  2. ビジョンを共有できているが仕事はできない社員も残す。
  3. 仕事ができるがビジョンが共有できない者は会社を滅ぼす。
  4. ビジョンも共有できず、仕事もできない者は不要。



【楽に生きていきたいと思っていると楽に生きていけないというロジック】

  1. 楽に生きていきたい
  2. 責任を負いたくない
  3. 会社・相手に責任を転嫁する
  4. 信用が落ちていく
  1. 楽に生きていきたい
  2. 面倒は避けたい
  3. 処理が遅れる
  4. 信用が落ちていく
  1. 楽に生きていきたい
  2. チャレンジする意欲はない
  3. やれることしかやらない
  4. 信用が落ちていく
  1. 楽に生きていきたい
  2. 自分の利益が最優先
  3. 他は利用すべきもの
  4. 信用が落ちていく
結果として楽に生きていけない。依存型の人間にどのようなよい仕組みを与えても、依存型は依存型としてこれを利用する。

【自立型人材のモデル】
  1. 自分を活かして充実して生きていきたい
  2. 率先して取り組む
  3. 責任は自分が取る
  4. 自分への信用が増す
  1. 自分を活かして充実して生きていきたい
  2. 面倒なことから逃げない
  3. 処理が早い
  4. 自分への信用が増す
  1. 自分を活かして充実して生きていきたい
  2. チェレンジしたい
  3. 自ら新たな状況を作る
  4. 自分への信用が増す
自分への信用が増すことにより、楽しく充実した人生が送れる。

【コンピテンシーモデル】

職能資格制度の欠陥を払拭するために高業績者の成果達成の行動特性(業績・成果と連動した顕在的能力)を重視したコンピテンシーモデルが有効である。

タワーズ・ペリン社のコンピテンシー ※1
  1. コミュニケーション
  2. チームワーク
  3. 顧客志向性
  4. 成果達成志向
  5. 革新性/創造性
  6. ビジネス感応性
  7. リーダーシップ
  8. 自身及び他者の能力開発/育成
  9. 意志決定
  10. 順応性/柔軟性
  11. 問題解決
※1 コンピテンシーの定義の例 「継続的にその職務に求められる達成すべき最終成果責任を生み出すための効果的な行動を選択し、実際に行動に結びつけるという行動にフォーカスした能力で、しかも顕在的で他社から観察しうる行動レベルでの発揮能力」

【達成動機が強い人には成果に対するフィードバックを示すべし】

達成動機の強い人は成功報酬よりも個人的な達成感に関心を示すとともに、難しい問題に取り組んだり、解決すること自体に関心を示す。達成動機の強い人は自分たちの成果に対して具体的なフィードバックを求めることを強調している。

これは同感。解決すべき問題が部門間にまたがっているような場合、ルールやプロセスの変更が素早く承認されると達成感、満足感が生まれる。

ここまでの話し、どう考えても義務教育の学校では教えていないことばかりのような気がする。教えていないところか、正反対の依存型の人材を一生懸命作ろうとしていないだろうか?

改めて問題の根(依存型の社会人が多いという現状)は深いように思った。

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