2008-11-22

人生は実験

広い心で聞く』の続きで、米国シリコンバレーを中心に経営コンサルタントとして活躍するKimberly Wiefing 氏のインタビュー記事の最終回である。
Life is an Experiment

Wiefling: Some people tell me, “Kimberly, this kind of listening, this kind takes a long time. I’m very busy person.” Here’s the problem, though. Do you ever have a conversation with somebody, and you have the same conversation over and over and over again? This takes a lot of time. When somebody says something, if they think you didn’t hear them, you know what they do? They say it again. And if they don’t like the conversation, they come back and have another conversation with you. So what we find is spending this time on these kind of critical conversations actually is a lot faster than trying to rush through the conversation with non-generous listening skills.
Listening seems very passive, and sometimes it’s hard for people to understand how powerful it can be. When we’re listening, we’re sitting quietly. This is very difficult for some people to understand. How can listening be great leadership? It’s something you just have to try.
When you start really listening to people, they feel valued. When they feel valued, they start contributing more. When they start contributing more, more ideas come, they have good feedback about their performance, and everything improves in that working relationship and in the team. I and listen to somebody that you haven’t listened before.

ウィーフリング:「キンバリー、こういった聞き方は時間がかかる。私はすごく忙しいんだ」と言う人たちもいます。でも、そこに問題があるのです。あなたは、誰かと話をして、同じ会話を何度も繰り返したことがありませんか? これは大変時間がかかる行為です。何か言って、相手が聞いていないと思ったら、その人がどうするか、おわかりですか? また同じことを言うんです。また同じことを言うんです。会話に満足しなかったら、戻ってきて、もう一度話しをします。ここでわかるのは、実際、こうした決定的な会話にはそれなりの時間を割いた方が、ジェネラス・リスニングのスキルを用いないで会話を急いで切り上げようとするより、ずっと早く済む、ということです。

 聞くという行為は、大変受け身なことに思われますし、それがどれほどの威力を持ち得るのか、理解しにくいこともあります。人の話を聞いているとき、私たちは黙って座っています。そのことがなかなか理解できない人々もいるのです。話を聞くことが、優れたリーダーシップであるものか、とね。それは、あなたがとにかく試してみるべきことなんです。
 あなたが人の話を心から耳を傾け始めたら、相手は自分が重んじられていると感じます。重んじられていると感じると、人は今まで以上に貢献し始めます。貢献度が増せば、より多くのアイデアが浮かび、自分の業績についていいフィードバックがもらえる。そうすれば、そうした職場の人間関係やチームにおいては、あらゆることが向上していきます。私は皆さんに「やってみてください」とアドバイスするんです。人生は実験です。時間をかけて、試してください。これまで耳を傾けたことのなかった人の話に耳を傾けてください。
キンバリー・ウィーフリング氏の話を聞いてみて感じるのは自分の主張がはっきりしており、説得力があることだ。もちろん、主張の裏付けもある。

振り返って、日々の仕事の中で感じるのはエンジニアやマネージャの自信のなさだ。うまく回っていないプロジェクトほどサンドバッグのように右から叩かれると左に振れ、左から叩かれると右に触れてしまう。もちろん、広い心も持てないのでプロジェクトリーダーはジェネラス・リスニングもできない。

問題を解決しようと思っても誰も決断できない、誰かが話を切り出すのを待っている、誰かがダメだししてくれるのを待っている。日々の発言や行動に明確な根拠を持っていないからそうなる。

そういう状況でもキンバリー・ウィーフリング氏のような優秀なコンサルタントはネガティブな言い方はしない。必ずポジティブに自信を持って攻める。

結局、ダメだしして受動的に動いているようではダメだしする人がいなくなった瞬間にプロジェクトは立ちすくんでしまう。自立できるようにしなければ意味がないのだ。

エンジニアが自立するためには自分の発言や自分の行動に自信を持てるようにならなければいけない。ジェネラス・リスニングは技術者に自信を付けるのに役立つと感じる。時間をかけてジェネラス・リスニングを行うのは、相手に自信を付けてもらい、自立させて自分でどんどん問題を解決でききるようになってもらうためでもあると思う。

問題解決能力(Problem Solving Skill):自ら考え行動する力』も参照されたし。
 

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