2006-04-23

Lifehacks って知ってた?(僕は知らなかった)

最近はアマゾンなどのインターネット書店をバーチャル書店、街の本屋さんとリアル書店というらしい。近頃、目的もないのにリアル書店に立ち寄ることが多くなった。白状すると『組込みソフトエンジニアを極める』がどのように置かれているか、売れ行きがどうかを眺めに行っているのだ。

先日、新宿の紀伊國屋書店でしばらく売り場を観察していたら『組込みソフトエンジニアを極める』と『Software People Vol.8』をまとめて手にした20代くらいの技術者らしい人がいた。その人がレジで本当にこの2冊の本を買うまで後をついていったことは言うまでもない。

リアル書店の売り場を眺めているとき、いい位置に並んでおり結構な確率で手に取られる雑誌が『Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~(ライフハックプレス)』だ。

最初、この雑誌の表紙を見たとき、これはWEBデザインか何かの雑誌だと思い、ソフトウェアに関係する内容が書いてあるとは夢にも思わなかった。

みんなが手に取るので手にとってページをめくってみると、ソフトウェア開発を成功させるためのヒント集のような記事がたくさん載っている。

恥ずかしながら、lifehacks ということばも百式管理人 の田口 元さんという方も初耳だったのだが、実は国内外で話題になっているらしい。

「やる気を出す10の方法」
「すぐやる技術」
「ミーティングで眠くならない方法」

といった生活と仕事をシンプルかつ快適にするさまざまな技が lifehacks ということのようだ。hack というとハッキングするとか、ハッカーとか悪い印象の方が先に思いつくが、以下のようにhackには2つの意味があり、hack とはプログラマが自分の仕事を片付けるために書いている、自分だけの小さなプログラムのこととのこと。

hack:

Ⅴ 〔電算〕《口語》
1 〈プログラミングに〉取り組む.
2 〈コンピューターシステム・データなどに〉不法に侵入し改変[盗用]する, ハックする.

New College English-Japanese Dictionary, 6th edition (C) Kenkyusha Ltd. 1967,1994,1998

そういう意味では『組込みソフトエンジニアを極める』第4章-品質の壁を越える- 図4.12 組込みソフトウェアプロジェクト簡易評価指標 (ジョエルテスト The Joel Test: 12 Steps to Better Code をアレンジしたもの)も、lifehacks のひとつかもしれない。
Life Hacks PRESS ~デジタル世代の「カイゼン」術~ 初版(たぶんシリーズになると思う)の中身は以下のようになっている。

巻頭企画 lifehacksベストセレクション―lifehacksとは何かを探る
総力特集 「あれもこれもやらなくちゃ」を解決。今すぐ始めて、効果抜群 GTD―シンプル&ストレスフリーの仕事術
特集2 Gmailも地図も、徹底的に使い倒す Google全サービス活用
特集3 仕事で、生活で、発表の場でプレゼンが簡単にうまくなる
特別企画 図解思考で「脳」を整理 はじめてのマインドマップ

GTD(Getting Things Done)仕事を成し遂げる技術―ストレスなく生産性を発揮する方法ということばも初耳だったが、仕事を成し遂げる技術の玉手箱のような内容でおもしろい。紹介されていたものの中でひとつだけすでに実践しているものがあった。それは4色ボールペンをいつも携帯するというものだ。

自分は4色ボールペンを常に携帯している。よくなくすのでのべ7本くらいは買っている。記事を校正するとき、資料の大事なところに線を引くとき、誰かにアイディアを説明するときなど4色あるといろいろな表現が可能になる。

そういったちょっとしたくふうを紹介する雑誌が創刊され、さらに結構売れているというのが驚きである。

ちなみに組込みソフトの世界でも、SESSAMEのメンバーで lifehacks に精通している人が改善の旗手になっているケースを知っている。ただ、ひとつ気をつけなければならないのは手段が目的にならないようにすべきだということだ。

職人は道具を選ぶのにも気を遣うべきだが、職人がいい仕事をしたかどうかはできあがったものがユーザーに満足されるかどうかで判断されるべきだと思う。

ただし、昔ながらの職人も自分の世界に閉じこもっていて世の中では電動ドライバーが主流になっていることに気がつかないのはまずい。

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